あるカメラ屋さんから、
お客さんが持ち込んだALPA11siの修理が来ました。
修理依頼の内容は、
フィルムカウンターが動かないことと、
メーターのLEDが点灯しないことです。
早速中を開けて見ると、
フィルムカウンターを動かすギアが付いていません。
そもそもギアが入るはずの軸も折れてしまっています。
これではギアがあっても直せません。
フィルムカウンターを動かすギア
修理品には軸ごと折れてギアが無い。
メーターの方も、
メーターを点灯させるスイッチの端子がありません。
これでは修理不能だとカメラ店に電話をしたら、
このカメラは以前私へ修理を依頼したカメラだそうです。
ええっ?
覚えていないので修理ノートを見て確認してみると、
ありました、5年前に修理をしています。
ノートには「カウンターギア欠品」「メータースイッチ欠品」
「シャッターを動くようにすること」
という記載がありました。
そこで何となく思い出しました。
当時も欠品のことをカメラ店に伝えたら、
外観はきれいなので勿体無いから、
とにかくシャッターは動くようにして欲しいと頼まれたのです。
ですからお店は不完全品として販売し、
お客さんはそれを承知で購入したはずなのです。
ところがどうやらこのアルパは転売されたようで、
それを他店で買ったお客さんが、
このお店へ修理依頼に来てしまったのです。
そしてまた私の元へ。
フィルムカウンターが動かないとか、
メーターが動かないとかいう故障は、
カメラとしては小さな故障なので、
それが原因で販売価格が凄く安かったら、
「もしかしたら簡単に直るかも」
と思って購入する人もいると思います。
しかし、このように部品が欠品の場合や、
直せない原因のこともまま有ります。
そこはお客さんにとっては「賭け」なのです。
不完全品を購入する際には、
その事を覚悟の上で購入なさって下さいね。
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