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Channel: カメラ修理屋の気まぐれ雑記帳
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CASCAⅡ

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毎回、カメラ市の前は忙しくなるのですが、
今回は、特に忙しくて困ります。
そもそも、2月の松屋のカメラ市の後からずっと忙しいのです。
松屋の後に「次のカメラ市までに間に合えばいいから」
と言われて預かった修理が面倒なカメラも、
結局やる暇が無く、直前にやることになってしまいました。
その先手が先日載せたコンタフレックスでしたが、
まだまだ難題は続きます。

そのひとつが、カスカⅡです。

イメージ 1



このブログでも何度か載せましたが、
レンズメーカーだったシュタインハイルが作ったカメラです。
初めて作った(そして最後になった)カメラなので、
やはりいろいろ手際の悪いカメラで、修理が面倒です。

シャッター幕がダメになっていてシャッターが上手く走りません。
まずは何よりシャッター幕を交換します。

イメージ 2



シャッター幕を交換してから動かしてみると、
シャッター速度板を1/2秒にセットしてもBになってしまいます。
ほんの僅かに1/2から1/5の方に動かすと1/2で切れますが、
これではダメですよね。
ギアにマーキングがしてあるので誰かが分解したようですが、
どうもギアの位置が歯1つ間違っているようです。
ここのギアの組み合わせは、一度外すと面倒なんですよね。
ああもう!

イメージ 3


左側の一段下がったところにはスローユニットが見えます。
Ⅰ型には無かったスローシャッターを付けるために、
こんなところにスローユニットを増設しているのです。
ですからスローユニットを外すには、
アパーチャー周りの隔壁を抜かなかれば出来ません。
面倒なカメラだなぁ。


また距離計調整も面倒です。
反射ミラーを動かして距離計像を調整するのですが、
これは、縦横のズレを別々に調整することが出来ません。
縦が合えば横がずれ、横を合わせば縦がずれ、
・・・と、一生合わせられないのではと思ってしまいます。
しかも、合ったと思って緩み止めを打っておいても、
またしばらくして見ると、僅かにズレていたりします。
たまにこういうカメラがありますが、
メーカーが調整する時にも、これでは面倒だと思うのですが・・・

イメージ 4




ところでカスカの標準レンズを分解する時には、
まず後部にある黒いリングを外します。
リングはカメラの距離計を動かすレバーに当たる部分なのですが、
リングは、少し緩んだ状態で緩み止めがされています。
最初は、誰かカメラの距離計調整をするのが面倒で、
リング緩めて距離計調整をしたのかと思いましたが、
今まで見たレンズは全てがそうなっていました。
普通、カメラの距離計を調整する時は、
レンズを無限遠にして、それを基準に距離計も無限遠に調整しますが、
もし以前の分解時にこのリングの位置を動かされていたとしたら、
距離計の無限遠をどこに合わせればいいのか分からなくなります。
普通、距離計に当たる部分は個体ごとに調整して削ってあるのですが、
それが面倒でリングで調整できるようにしたのでしょう。
何だかなぁ・・・


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