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Channel: カメラ修理屋の気まぐれ雑記帳
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Contax Ⅰ

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またコンタックス修理の記事ですが、
今回は戦前のコンタックスⅠ型です。


イメージ 1


ライカのライバルとして登場したコンタックスですが、
まだボディーが板金で出来ているカメラが全盛の時代に、
ダイキャストボディーで作られているというだけでも、
凄いカメラだなぁと思わせられます。

コンタックスは、
戦前から金属製のシャッターを使っているのが特徴です。
しかしシャッターリボンが寿命を迎えているので、
リボンがいつ切れてもおかしくありません。
この固体も例外でなく、
リボンが切れてシャッターが開いたままになっていました。

イメージ 2



コンタックスのリボン交換はライカなどに比べて面倒なので、
やってくれない修理屋さんもあるようですね。

イメージ 3



距離計までは長~いプリズムが入っています。
凄く長い基線長ですが、
ライカはレンズで距離計像を拡大しているので、
ライカよりずば抜けて距離計精度が高いとは言い切れません。
距離計のドレーカイルプリズムを回すギアもたくさん見えます。

イメージ 4




戦前のコンタックスをやる度に、
この時代によくもこんなカメラを作ったものだと感心します。
ライカの数倍は複雑ですが、
その分、故障の確率も高くなります。

また、シャッターテスターで各速度を計る時や、
フィルムを入れて巻き上げテストをする時には、
正面にある巻き上げノブが重いので、
何度も巻き上げていると指の表面が痛くなってきます。

メカ的には非常に魅力的なカメラですが、
実用面では使い難いカメラです。
よく「コンタックスはポルシェだ」という声を聞きますが、
当たらずとも遠からず、という気がしますね。



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