とても綺麗なニコンS3ブラックが来ました。
2000年に再生産されたミレニアムモデルではなく、
チタン幕のS3オリンピックです。
まるで2000年モデルと見間違う程に綺麗なのですが、
残念ながらスローシャッターが上手く働きません。
スローにしてもパシャンと切れてしまいます。
きっとスローガバナーが戻らないのだと思って開けてみました。
スローガバナーを良く洗ってから注油して戻してみたのですが、
全然スローが掛かりません。
良く見ると、スローのガンギを逃がすレバーが動いておらず、
いつもガンギが逃げたままになっています。
シャッターを分解してレバーを動かす所を見てみたのですが、
どこもおかしなところはありません。
何が原因か分からず悩んでいたのですが、
何度かシャッターを切っているうちに、スローが動き始めました。
もしかしたら遮光板がレバーに引っ掛かっていたかな?と思い、
遮光板を少し曲げて、他をオーバーホールして組み上げました。
しかし、シャッターテスターで速度を計っているうちに、
今度は巻上げが出来なくなってしまいました。
一難去ってまた一難です。
また分解し直して各部を点検していると、
シャッタードラムの裏から、ポロっとネジが1本出てきました。
このネジが最初はスローを制御するレバーに引っ掛かっていて、
分解して点検した時には別な場所で挟まっていて、
それが今度はシャッタードラムの裏側へ移動して、
巻き上げが出来なくなってしまったようです。
じつは、ファインダーを止めるネジが1本無い場所がありました。
前に修理した人がネジを無くしたか入れ忘れたのだと思い、
新しいネジを入れておいたのですが、
ネジを中に落としたままだったのですね。
ああもう!
ネジがドラムに挟まった時に、
チタン幕に小さな擦り傷が付いてしまっていました。
とても残念ですが、
お客さんには、良く理由を話して理解してもらうしか無いですね。
カメラフェアが終わってホッとしていたのですが、
何だか最初の修理から憂鬱になってしまいました。
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