久しぶりに、戦前のベビーローライが来ました。
ベスト判のベビーローライは、
戦後のグレー色のモデルの方が有名ですが、
じつは戦前のベビーローライは、
ローライフレックスとしては2作目の製品で、
ブローニーフィルムのモデルより先に作られています。
(最初のローライフレックスは117フィルム用でした)
機能的には当時のローライフレックス・スタンダートと同じで、
特徴的なのは、レンズの繰り出し方法です。
なんと4つのヘリコイドで前板を繰り出しています。
リング状のギアの裏側はベベルギアになっていて、
ボディー横のピントリングを回すとこのリングも周ります。
リング状のギアが回ると、
4つのヘリコイドが同時に回転します。
ヘリコイド上部にある切り込みは前板に固定され、
下のギアが回ると繰り出される仕組みです。
ピントノブを回すと、
4つのヘリコイドが同時にグルグルと回るのは面白いです。
しかし4つのヘリコイドが同じ量で繰り出されれないと、
前板が平行に繰り出されずレンズが斜めになってしまいます。
その調整は、リングギアに取り付ける位置で調整します。
分解した時に位置が合っていれば、
各ギアの位置にマーキングをして外せば良いのですが、
ズレて組んであるとチョッと面倒です。
この方式はコストが掛かることと、
ピントノブが少し重くなってしまうのが欠点でした。
そこで以降のモデルでは、
両側からカムで押す方式に改められます。
戦前のベビーローライには3種類あり、今回の2型は、
上からシャッター速度と絞り値が見れるようになっています。
シャッター速度リングと絞りリングの外周にはギアが切ってあり、
それがビューレンズの外周にある表示板のギアと連動します。
最初の1型にはこの機構は無く、3型になると、
シャッターとビューレンズが一体になったカバーが付きます。
私的には、クラシカルでしかも使いやすいこの2型が好きです。
戦後のベビーローライ以上に小さいので、
片手に乗る二眼レフというものも魅力ですよね。
戦前のテッサーの写りも試してみたいところです。
ベスト判フィルムは「かわうそ商店」でどうぞ。
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