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Channel: カメラ修理屋の気まぐれ雑記帳
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ZUNOW 35mm/f1.7

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ズノーの35mm/f1.7というレンズが来ました。
これも珍品で高価なレンズですよね。


イメージ 1




しかし今回修理に来たレンズは、鏡筒はぐるぐる回るしピントも来ません。鏡筒は単にリングが緩んでいるだけのようですが、ピントはコリメーターで確認すると凄い後ピンです。レンズ全体が前に出過ぎているようです。各レンズが緩んでいたりせず正しく入っている場合、原因として良くあるのは、グリスアップしようとヘリコイドを分解した後の組違いです。ヘリコイドには溝が数本掘ってあり、ピントリング側とレンズユニット側の溝を入れる位置を間違えてしまうと、レンズ全体の位置も狂ってしまいます。

このレンズは広角レンズですから、距離計カムとレンズ本体の繰り出し量が違うので、ヘリコイドが2つになっています。距離計カムの方のヘリコイド位置は合っていましたが、ピントリングの方のヘリコイドの入れ位置を間違えて組んでありました。しかしヘリコイドを分解した人は、ピントが合わなければ入れ違いを疑わないのでしょうか?もしかしてWヘリコイドだと気が付かず、距離計が合っているから入れ違いは無いと確信していたのでしょうか?もしそうなら完全に素人の仕業です。ヘリコイドを入れ直し、微妙なピント位置はシムを入れて調整しました。あとは普通にオーバーホールをして終わりです。

ちなみに写りの方も気になりますが、オートコリメーターのチャートを覗いたところでは、さすがに開放絞りではボヤ~ンとしていました。f4まで絞るとシャープになりますが、周辺の画質はコリメーターでは分かりません。


この前のテーラーホブソンのレンズといい、どうも変な分解修理をしたレンズが多いですね。最近はネットである程度の知識が得られるので、生半可な知識で分解する人が増えているような気がします。私のブログの分解画像を参考にして修理する素人さんもいるかもしれませんが、もしちゃんと直せなかったら、そのまま手放さず、きちんと修理に出して下さいね。



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