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Channel: カメラ修理屋の気まぐれ雑記帳
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初仕事からトホホ・・・

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今年の仕事始めは4日からでした。
最初の仕事はアルパ11です。

故障の症状は、
ミラーが上がったままシャッターが切れません。
とりあえず上カバーを開けてみると、
あれま、
露出計の可変抵抗が付いている板が欠けていました。


イメージ 2


イメージ 1


この割れた破片がシャッターに挟まり、
シャッターが動かなくなっていました。


位置的に見て、
どうやらストラップの金具を取り付ける穴に、
純正ではない長過ぎのネジを入れてしまい、
穴を貫通してこの部品まで押し割ってしまったようです。

イメージ 3




破片を取り除くとシャッターは無事動いたので、
オーバーホールをして終わりだと思ったのですが、
ファインダースクリーンの位置調整をしていると、
アジャスターをいっぱいに回してもピントが来ません。

おかしいなぁと何度も確認していたら、
なんとミラーが斜めに貼ってあります。
ミラーが上がるところのモルトが剥がれていたので、
ミラーがショックで外れてしまったようです。
しかしそのミラーを接着する時に、
奥にある爪の下にミラーを差し込む事に気が付かず、
なんと爪の上から接着してありました。
貼る時にピッタリとはまらなくて、
何だかおかしいなとは思わなかったのでしょうか?
そもそもミラー外れたのにモルト貼ってないし。

(ミラーの差込爪)
イメージ 4


ミラーを割らないように注意しながら外し、
正しい位置に貼るとスクリーンにピントが来ました。



これでやっとOKと思って全て組み立てが終わり、
最終チェックでシャッター速度をテストをしていたら、
時々スローとBが動かない時があります。
せっかく組み立てたのにまた分解してみましたが、
なかなか原因が分かりません。
半日考えてやっと分かった原因は、
ネジで押された部品の軸が僅かに曲がってしました。
この軸はシャッターを制御するカムが付いているので、
曲がるとシャッターの動きが変ってしまうのです。

イメージ 7


しかしこの軸は下板にカシメで止めてあるので、
戻そうとして曲げるとぐらぐらになってしまいます。
ぐらぐらにならない程度に僅かに曲げて戻してみましたが、
スローは掛かってもBが開いたまま閉まりません。
BはTのようにシャッターダイヤルを動かすと閉まるので、
お客さんにはこれで我慢してもらうことにしました。


ところが。

全て組み立て終わってまたシャッター速度を計っていたら、
突然シャッターダイヤルのクリックが無くなりました。
とても嫌な予感・・・

再び上カバーを開けてみると、
やはりダイヤルにクリックを作る棒がポッキリ・・・

イメージ 5


以前、アルパ10でこれが折れた固体を見た事があります。
これ、どう見ても折れるでしょ?
設計者出て来い!

10dの時は予備部品があったので交換しましたが、
もう部品はありません。
せっかくここまで直したので、
どうにかならないかと部品を接いでみましたが、
あまりに細く(0.8mm位)また補修するしろが少な過ぎて、
ダイヤルを回すと根元から曲がっていってしまいます。
金属板を加工して同じ形に作ってもみましたが、
曲がるか折れるかでなかなか上手く行きません。
結局1日やっていて諦めました。

いい加減疲れて放置の図

イメージ 6



ああ、せっかくここまで直したのに台無しです。
アルパのシャッターダイヤルは巻き上げの下にあるので、
クリックが無いと巻き上げた時に一緒に動いてしまいます。
これでは実用にはなりませんので、
お客さんから修理代を戴く事は出来ないでしょう。


結局2日半掛かった修理がパーです。
あぁもう!
なんか今年は幸先悪いなぁ。



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