ローライ35は、
本当に良く出来ているカメラだと思います。
独自の構造の部分が多く、
そのお陰で世界最小の35mmカメラになりました。
小さいので精密感があり、
ただ持っているだけでも幸せな気持ちになります。
カメラ市でローライ35をお客さんに見せると、
初めて手にした人は、
大抵「小さいのに結構重いんですね」と言います。
この重さもまた、
いかにも金属の塊という感じがあって良いのです。
今回オーバーホールの依頼に来た個体は、
レンズの沈胴部分が緩くなっていて、
下に向けるだけでレンズが出てきてしまいます。
ライカなどの沈胴レンズもそうですが、
鏡筒の沈胴部分にはフエルトが貼ってあり、
そのフエルトが痩せてくると緩くなります。
ローライ35のフエルトは痩せやすいようで、
緩くなっている固体を時々見かけます。
これを直すにはフエルトを貼り換えます。
鏡筒部分をカメラから外し、
ついでにレンズや絞り羽根もクリーニングします。
このあたりの構造も、
分解すると「なるほどなぁ」と感心します。
ライカのレンズもそうですが、
沈胴を一度抜くと、
再び入れようとしてもフエルトが挟まってしまい、
工具が無いと上手く入れる事が出来ません。
たまにズミクロンなどを自分で抜いてしまい、
戻せなくなって修理に出す人がいます。
自分で沈胴を抜いてしまわないように注意して下さい。
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