ズマロンやDRズミクロンなどのメガネ付きレンズは、
ライカに取り付けると距離計がズレて見える固体があります。
ズレた主な原因は、
メガネの四角いファインダー側のレンズが、
衝撃等で内部で動いてしまったからです。
直すには、レンズを分解して接着し直す事が必要です。
レンズが欠けないように接着剤を剥がし、
距離計調整をしながら接着して行くのは面倒な作業です。
ですから距離計ズレの修理は料金が結構掛かります。
ところが先日あるカメラ店で、
「メガネの距離計調整って簡単なんですね」と言われました。
あるHPに簡単な調整方法が書いてあると言うのです。
そこでそのHPを見てみたのですが、
全く見当違いな調整方法が書いてありビックリしました。
それによると、
上下ズレは丸いレンズ側の裏の3本ネジで調整する、
左右調整はレンズの上の左右2本のネジで調整する、
というものです。
これらのネジを締めたり緩めたりして調整すると書いてあるのですが、
これらのネジは、単にメガネの裏蓋を止めてあるネジです。
これらのネジを全部緩めると後ろが外れるだけです。
これを見れば、
誰でもこれらのネジを動かしたことろで、
何も変わらないという事が分かると思います。
そのHPは実際にやってみて書いたのでしょうか?
またメガネの丸い距離計側レンズの外周には、
3つの穴を埋めた痕があります。
この穴の中にはイモネジがあり、
いかにもこれを回すと調整が出来そうに見えます。
実際にこのネジは製造時に調整に使ったものです。
しかし、調整後は動かないようにレンズを接着しています。
下は接着剤を剥がした後の画像ですが、
上下共に丸いレンズの外周には接着剤の痕が見えます。
ですからイモネジをいくら回しても距離計は動きません。
無理に回そうとしてネジの頭をなめてしまっている固体も見かけます。
また四角い方のレンズを外した場合は、
1mmでもレンズの接着位置がズレてしまうと、
丸いレンズでは調整しきれないほどにズレてしまいます。
正確な位置に接着し、最後に丸いレンズで微調整するのです。
このように間違えた記載のあるHPがあると、
私がまるで簡単に直したのに高い修理料金を取っていた、
と思われそうで困ってしまいます。
この記載があったHPはとても良く出来たHPで、
ライカの歴史から各カメラやレンズの説明もあります。
HPの中に「間違いのご指摘」という欄があったので、
そこに間違いを書いて送ってみました。
訂正があればブログには書くつもりは無かったのですが、
残念ながら今のところ訂正や削除は無いのです。
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