このところ「鉄ネタ」ばかりが続きましたが、
チャンと仕事もしています。
(当たり前か)
レンズには構成によって貼り合せの部分があります。
大抵凸レンズと凹レンズの組み合わせですが、
古いレンズはバルサムという樹脂で貼ってあります。
これがたまに部分的に剥離することがあります。
「バル切れ」と呼ばれる症状です。
ショックや熱で剥がれる事もありますが、
何もしなくてもなぜか剥がれる事もあります。
新しいレンズでも起こる事があり、
リコーのGR28mmのバル切れは有名です。
(私のGRレンズも剥がれて交換してもらいました)
で、バル切れがあるレンズは、
貼り直す事も出来ます。
ただ、出来るレンズと出来ないレンズがありますし、
大変面倒な作業なので私は滅多にやりません。
しかし今回はとても高価なレンズにバル切れがあり、
「これさえ無ければ30万円以上!」というレンズでしたので、
カメラ屋さんにお願いされて頑張ってみました。
バルサムは、剥がすのも結構大変です。
完全に剥がれて2枚になっていれば手間は省けますが、
バル切れしたくせに、
いざ剥がそうとするとなかなか剥がれないものです。
貼る樹脂は、
コシナで紹介してもらった化学合成樹脂です。
(屈折率の問題があるようです)
貼るには偏芯しないようにピッタリした枠が必要です。
レンズを回してレンズ自体に偏芯が無いかも確かめます。
樹脂を付けて貼り合せる時には、
泡やゴミが入りやすいので細心の注意が必要です。
樹脂は紫外線硬化型ですので、
紫外線を当てて固めます。
出来上がり
この後、コバ塗りをして完成です。
組み上げてからコリメーターでチェックしましたが、
偏芯も無くちゃんとピントが来ていて安心しました。
本当に面倒なので滅多にやりませんよ。
カメラ市の後くらいは、
しばらく楽したかったのですが・・・
.